事業等のリスク

当社グループの経営成績及び財政状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下に記載している将来に関する事項は、2020年1月20日現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

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1. 人材の確保・育成

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。
また、当社グループの成長戦略であるヘルスケア分野における事業領域の拡大には、高度な専門性や経験を有する多様な人材を確保していく必要があります。
近年、少子高齢化の進行と労働人口の減少、価値観や働き方ニーズの多様化など、労働市場を取り巻く環境が変化する中、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

近年の労働市場の変化により、企業の人手不足感は高水準となっており、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図ってまいります。また、国内飲料事業においては、人材確保の遅れが翌期の業績にも影響を及ぼす可能性があることから、自販機オペレーション体制の高度化による生産性向上にチャレンジするとともに、オフィスや工場などの収益性の高い自販機ロケーションの新規開拓にかかる営業体制の増強に向けてキャリア採用を積極化し、組織体制のさらなる活性化を図っております。

2. 海外子会社の管理・統制

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。
海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループの海外飲料事業は、トルコ飲料事業が大きなウエイトを占めており、その業績は比較的好調に推移しているものの、足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、景気の減速による消費への影響にも留意が必要な状況にあることから、トルコから周辺諸国への輸出取引の拡大により、収益の安定化を図る必要があります。また、マレーシア・ロシア・中国の各飲料事業については、今後、事業継続の見極めも必要な状況にあることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外飲料子会社を管理・統括することにより、海外飲料事業全体の黒字化に向けた戦略拠点の見直しをすすめるとともに、持株会社の監査部による海外飲料子会社への監査体制を強化するなど、経営管理体制・リスク管理体制の整備をすすめております。

3. 企業買収及び事業・資本提携

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。
企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんの減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループは、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。

4. 自販機チャネルへの集中・依存

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は80%超となっており、業界平均を大きく上回っております。
自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コンビニエンスストアをはじめとする利便性の高い店舗網の増加などにより、自販機1台当たりの売上高も減少傾向にあり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、オフィスや工場などの安定的な販売が見込める場所への自販機の設置促進や商品ラインアップの最適化などにより、売上高の向上に努めるとともに、自販機オペレーション体制の生産性向上により、売上高に対する固定費率の低減に取り組んでおります。
また、「グループミッション2030」の達成への取り組みを通じて、非飲料事業での第2の柱を構築することにより、自販機チャネルへの依存度を低減する方針としております。

5. 業界における市場競争

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。また、eコマースの普及や、ドラッグストア業界の積極的な出店戦略への対応策として、流通チェーン各社は、店舗の付加価値を追求するとともに、価格戦略、販売促進強化の動きを強めていることから、市場の実勢価格は低下傾向にあり、店頭への商品配荷を維持・拡大するための販売促進費も増加するなど、競争環境は急速に変化しております。当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、厳しい状況が続いていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様にとって付加価値の高い提案を推進する課題解決型営業により、業界における市場競争に対応してまいります。

6. 原材料・資材の調達

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。
価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。

7. 生産・物流体制

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。
全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としておりますが、近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、大きく変化しており、生産を委託する協力工場の設備投資計画の内容によっては、当社商品を生産できる製造ラインが減少することも懸念されます。また、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流の逼迫による供給リスクは、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に共通する大きな課題であり、物流コストの大幅な上昇とともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇傾向は、当面続くことが想定されることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、生産体制については委託先に関する施策の検討をすすめるほか、物流体制については、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティックス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。

8. 品質管理体制

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO 9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC 22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東新工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。

9. 環境問題への対応

リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等

気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。
また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識が急速に高まっており、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな課題ともなっております。
これらの規制強化や、容器包装等に対する取組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策

海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、2020年度より代表取締役社長を委員長とする「グループESG委員会」を新たに設置し、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から中長期的な事業環境の変化による課題を整理し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、ESG経営を推進してまいります。

10. その他のリスク

上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。
なお、直近では、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が長期化することが懸念されており、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。