ダイドーグループホールディングス株式会社

中期経営計画2026、遂行中!

グループミッション2030の実現に向けた
セカンドステージ「中期経営計画2026」

DyDoグループのコアビジネスである自販機ビジネスを取り巻く環境は、労働力不足に起因した「自販機をオペレーションする人材」の不足などを背景に、自販機市場全体の総台数が年々減少するなど厳しい状況が続いており、私たちも、これまで通りのビジネスの進め方では徐々に利益が減少していくだろうと予想しています。そこで私たちは持続的成長と中長期的な企業価値向上を達成すべく、2019年に“2030年のありたい姿”を示すグループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を掲げました。そして同時に、その実現のために2030年までどのような方針で活動していくかを示したロードマップを作成しました。

  • 2019
    2022
    2027
    2030
  •  [ 利益イメージ ]
    計画ベース
    成り行きベース
    投資戦略により、
    利益が目減りする部分
    中期経営計画2026
    中期経営計画2026
  • 基盤強化・投資ステージ
    成長ステージ
    飛躍ステージ
  • (2020年1月期 ~ 2022年1月期)
    (2023年1月期 ~ 2027年1月期)
    (2028年1月期 ~ 2030年1月期)

2019年度から2021年度までは「基盤強化・投資ステージ」と位置付けて、既存事業の収益力改善に向けた投資や海外飲料事業の選択と集中を行いました。そして、2022年度からは「成長ステージ」として5年間の計画をスタートしています。ここでは、この現在、DyDoグループが遂行している「中期経営計画2026」をご紹介します。

「中期経営計画2021」の成果をみる
中期経営計画2026の3つの基本方針
国内飲料事業の再成長

DyDoグループが業容を広げる中でも、国内飲料事業が私たちのコア事業であり続けることに変わりはありません。また、グループ全体で持続的な成長をめざしていくためにも、収益性が高く、グループのキャッシュ・カウであるこの事業を再成長させていくことがもっとも重要な課題です。

自販機の設置場所の開発、設置後のオペレーションの効率化を進め、市場での競争力・優位性を高めていきます。

主幹事業である自販機ビジネスの具体的な取り組みについてはこちら!
海外事業戦略の再構築

中核であるトルコ事業は通貨安等の厳しい環境下にありますが、ミネラルウォーター「Saka(サカ)」、炭酸飲料「Camlica(チャムリジャ)」など、現地でのブランドの認知度は高く、売上は着実に成長しています。原価高・物流費の高騰に対応したトルコ国内での収益構造を改革するとともに、リラ安を逆手にとり欧州諸国への輸出を拡大することで、トップラインの成長と共に為替リスクをナチュラルにヘッジできる強いビジネスモデルを構築していきます。

また、現在進出しているトルコと中国での事業成長はもちろん、「DyDoといえば健康的なブランド」と想起されるようなグローバルブランドの育成に努めていきます。

非飲料領域の強化・育成

ダイドーグループでは「お客様の求めるものをお客様に身近なところでお届けする」という考えに沿った、飲料以外の事業も行っています。

医薬品・医薬部外品のドリンク剤等の受託ビジネスを行う医薬品関連事業は、前の中期経営計画で行った投資効果の最大化に向け生産性の向上を進め、近年収益性を高めている食品事業(たらみ)では、ドライゼリー市場トップブランドを活かし、新たなカテゴリの創出によりさらなる売上の成長をめざしていきます。また、2012年の参入以来高い成長を続けるサプリメント事業は引き続き強化を進めていきます。これら3つの事業の成長性と収益性を高め、中期的なグループの成長をめざします。

一方、長期的な視点で育成するのは、2019年に参入した希少疾病用医薬品事業です。この事業が利益に貢献をし始めるのは、早くても次の飛躍ステージからと見込んでいます。収益化には時間はかかってしまいますが、治療選択肢の少ない希少疾病に苦しむ患者様へ治療薬を提供する使命のもと、この事業に取り組んでいきます。

このように「中期経営計画2026」では、国内飲料事業の再成長を一番の課題とした上で、2030年、またその先の未来を見据え、非飲料での成長の第2の柱の構築に向けて、各事業の強化・育成に取り組んでいます。

自販機市場における確固たる優位性の確立

ここからは、私たちの主幹事業であり、中期経営計画2026で最も重要な課題である自販機ビジネスにおける取り組みについてご紹介します。

自販機市場を取り巻く環境

全国には、約200万台の飲料自販機が設置されていますが、近年その台数は減少傾向にあります。その背景には人口減少やコロナ禍による需要減のほか、自販機のオペレーションを担う人材の不足なども上げられ、当社が軸足を置く自販機市場を取り巻く環境は厳しさを増しています。

自販機普及台数・出荷台数
※「経済産業省生産動態統計年報 (機械統計編)、日本自動販売システム機会工業会より、当社作成)
労働人口の推移
※総務省「国勢調査」、 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」より当社作成
当社の自販機戦略

厳しい環境の中で、飲料メーカーの自販機に対する戦略は二極化が進んでいます。自販機がもたらす利便性は、確実に多くの方からの需要があるもので、市場は縮小はしても、なくなるものではありません。消費者の期待にお応えし続けることで、私たちの自販機ビジネスは再成長を遂げることができると考えています。

自販機の利便性を提供し続けるには、まずはより多くの自販機を設置していくこと、そしてその自販機を運営していく仕組みをより効率化していくことが必要です。
ここからは自販機ビジネスの再成長を実現する、私たちの自販機ビジネスの根幹を支える2つの役割、開発業務(自販機の設置場所を開発する業務)とオペレーション業務(設置した自販機の運営を行う業務)の具体的な取り組みを紹介していきます。

開発業務とオペレーション業務の基本的な内容については
こちらをご覧ください
①【開発における取り組み】自販機稼働台数の拡大

開発業務において大切なのは、「売れる場所(ロケーション)」の確保です。自販機は設置いただくと、設置先の方(「ロケーションオーナー」と言います。)との長い関係が始まります。私たちは、ロケーションオーナーのみなさんとの良好な関係を構築することを主眼に地道な営業活動を展開しています。

2018年頃から、私たちが直面していた課題が、地方を中心に撤去される自販機が増え、10数年来維持していた自販機台数が少しずつ減少していたことです。そういった状況に対応すべく、前の中期経営計画では、新たなロケーションの開発に向け、営業人員の拡充や、個々人のスキルアップをめざす取り組みを行ってきました。当初想定していなかった、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大という大きな環境変化がある中で、新しい営業スタイルとして、電話やウェブ会議を活用するとともに、非対面で営業活動を専門とするインサイドセールスチームを2020年9月に立ち上げました。

徐々に営業の開発力が高まり、コロナ禍において営業活動が制限される中でも、2020年度以降は自販機台数が増加に転じるなど、地道な取り組みが成果として現れはじめています。

当社自販機台数の推移イメージ
②【オペレーションにおける取り組み】スマート・オペレーションの早期確立と、共栄会への展開

自販機網を維持するためには、自販機の管理(オペレーション)が行き届いていることが何よりも大切です。しかし、今後、労働力不足を背景にオペレーションを担う人材の採用が難しくなることが見込まれます。

そうした将来を見越し、前の中期経営計画から、私たちが取り組んでいるのが、オペレーション業務の抜本的な見直しです。通信機器を自販機に取り付けることで、離れた場所からも自販機庫内の在庫状況をリアルタイムで把握でき、補充に必要な商品の種類・本数の事前準備や、訪問頻度を最適化することができます。また、新たな業務フローに合わせて業務分担も見直すことで、オペレーション担当者一人が担当する自販機台数を増やすことができます。ただ、通信機器を付ければ完了、という単純なものではなく、実際に作業を行う担当者の動きも含めて最適化する必要があります。そこで、2019年度から一部営業所での検証と改善を重ね、2021年度には全国の営業所に本格展開しています。さらに、2024年度からは共栄会への展開もめざしていきます。

この新たな仕組み「スマート・オペレーション」の確立によって、労働力不足への対応や働き手の作業負荷低減に繋げるだけでなく、自販機ビジネスの本質である「お客様の近くへモノ・サービスをお届けするビジネス」の深化にも生かしていくことで、消費者やお取引先、ひいては社会環境の「四方よし」を実現していきます。

※主にローカルエリアでDyDo自販機のオペレーションを担う(原則として)資本関係のないオペレーター

現在のオペレーション体制
スマートオペレーション体制
「モノ」や「サービス」をお届けし、「四方よし」を実現する仕組み

自販機ビジネスを支える開発業務とオペレーション業務

自販機ビジネスを行う上では、大きく分けて2つの大きな役割があります。一つは自販機の設置場所を開発する業務(「開発業務」と言います。)、そしてもう一つは設置した自販機の運営を行う業務(「オペレーション業務」と言います。)です。ここではそれらの具体的な取り組みについてご紹介します。

開発業務とは

日本中で見かける自販機ですが、DyDoのマークがついた自販機は、年間およそ2万台強を入れ替えています。コンビニチェーンや居酒屋チェーンなどで、「スクラップ&ビルド」という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、自販機も同じ考え方で、不採算な店舗は撤去し、売上が期待できる場所に新たに出店する、ということを続けています。もちろん、売れ行きが好調な場所の自販機が古くなった場合は、店舗の改装、つまり自販機の入替を行うこともあります。そういったスクラップ&ビルドを繰り返しながら、全国有数の自販機網を維持しています。ここで売上が期待できる新しい場所を確保していくのが、「開発業務」で、主にダイドードリンコの全国の営業担当者がその役割を担っています。

オペレーション業務とは

自販機を設置した後は、日々、自販機への商品の補充と、お客様に気持ちよく購入していただくために自販機や周辺の環境を清潔に保つための業務、また季節ごとに商品を入れ替える業務があります。また、オフィスや学校、駅の近く、公園の中など、場所によって売れる商品は全く違います。このそれぞれの場所に合わせた最適な品ぞろえを行うのも、ご利用いただくお客様のための大切な仕事。これらを「オペレーション業務」と言い、ダイドービバレッジサービスや共栄会と呼ぶDyDoの販売代理店のみなさんが行っています。

中期経営計画2021における主な成果

基盤・強化投資ステージと位置付けた中期経営計画2021の主な成果をご紹介します。

国内飲料事業

自販機の新規開拓の強化と引き上げ抑止により、自販機稼働台数が増加

インサイドセールスチームを立ち上げ、オンライン商談を活用した営業体制を確立

スマート・オペレーションの構築を構築し、直販(ダイドービバレッジサービス)の営業所へ展開

海外飲料事業

ミネラルウォーター「Saka(サカ)」を中心にトルコでの売上が成長

トルコ子会社の完全子会社化、自社での営業・配荷網の確立、英国への直轄の現地法人を設立など、組織を整備

日本商品の輸入販売を展開していた中国において、現地での生産を開始、黒字へ転換

マレーシア市場からの撤退

非飲料事業

サプリメント通販が高成長を続け、国内飲料事業の収益に大きく貢献

受託ビジネスを行う医薬品関連事業において、市場成長が続くパウチ製品製造のラインを稼働、関東に2つめの工場を設立するなど成長に向けた投資を実行

ドライゼリー市場トップシェアのたらみ(食品事業)において、生産性の向上により、課題であった利益率を改善(中計開始時:2018年度 1.2%⇒中計最終年度:2021年度 4.5%)

希少疾病の医療用医薬品事業を開始、2件のライセンス契約締結し、事業化に向けて第一歩を踏み出す