ダイドーグループホールディングス株式会社

中期経営計画2021、遂行中!

グループミッション2030実現に向けた中期経営計画2021

DyDoグループのコアビジネスである自販機ビジネスを取り巻く環境は、労働力不足に起因した自販機をオペレーションする人材の不足を主な背景に自販機市場全体の総台数が年々減少するなど、厳しさを増しています。私たちも、これまで通りのビジネスの進め方では徐々に利益が減少してくことが予想されます。そこで、私たちは、グループ理念・グループビジョンのもと、持続的成長と中長期的な企業価値向上をめざすべく、2019年に、2030年のありたい姿を示すグループミッション2030「世界中の人々の楽しく健やかな暮らしをクリエイトするDyDoグループへ」を掲げました。その実現に向けては、私たち自身が大きく変わっていく必要があります。そこで、スタートの3年間は「基盤強化・投資ステージ」として位置付け、「中期経営計画2021」を遂行しています。

中期経営計画の詳細については、こちらをご覧いただき、ここでは、個人投資家のみなさまに向けて、ポイントとなる施策をお伝えします。

(2021年3月4日更新)

自販機市場における優位性の確立

自販機ビジネスとは

私たちの取り組みをご紹介する前に、まずは「自販機ビジネス」がどのようなものかをお伝えします。
自販機ビジネスを行う上では、大きく分けて2つの局面があります。一つは自販機の設置場所を開発する業務(「開発業務」と言います。)、そしてもう一つは設置した自販機の運営を行う業務(「オペレーション業務」と言います。)です。

開発業務とは

日本中で見かける自販機ですが、DyDoのマークがついた自販機は、年間およそ2万台強を入れ替えています。コンビニチェーンや居酒屋チェーンなどで、「スクラップ&ビルド」という言葉を聞かれたことがあるかもしれませんが、自販機も同じ考え方で、不採算な店舗は撤去し、売上が期待できる場所に新たに出店する、ということを続けています。もちろん、売れ行きが好調な場所の自販機が古くなった場合は、店舗の改装、つまり自販機の入替を行うこともあります。そういったスクラップ&ビルドを繰り返しながら、全国有数の自販機網を維持しています。ここで売上が期待できる新しい場所を確保していくのが、「開発業務」で、主にダイドードリンコの全国の営業担当者がその役割を担っています。

オペレーション業務とは

自販機を設置した後は、日々、自販機への商品の補充と、お客様に気持ちよく購入していただくために自販機や周辺の環境を清潔に保つための業務、また季節ごとに商品を入れ替える業務があります。また、オフィスや学校、駅の近く、公園の中など、場所によって売れる商品は全く違います。このそれぞれの場所に合わせた最適な品ぞろえを行うのも、ご利用いただくお客様のための大切な仕事。これらを「オペレーション業務」と言い、ダイドービバレッジサービスや共栄会と呼ぶDyDoの販売代理店のみなさんが行っています。

優位性の確立に向けた取り組み

DyDoグループが業容を広げる中でも、自販機ビジネスは私たちのコア事業であり続けることに変わりはありません。また、キャッシュの創出力が高いビジネス*であり、第2の柱の構築に向けてキャッシュカウになるビジネスでもあります。一方でビジネスを取り巻く環境が厳しいことは間違いありません。グループ全体で持続的な成長をめざして行く中では、自販機市場において優位性を確立し、DyDoの自販機網を維持・拡大していく必要があります。ここからは、「開発」と「オペレーション」、それぞれに対する、具体的な取り組みを紹介していきます。

開発業務における取り組み

開発業務において大切なのは、「売れる場所(ロケーション)」の確保です。自販機は設置いただくと、設置先の方(「ロケーションオーナー」と言います。)との長い関係が始まります。私たちは、ロケーションオーナーのみなさんとの良好な関係を構築することを主眼に地道な営業活動を展開しています。

2018年頃から、私たちが直面していた課題が、地方を中心に撤去される自販機が増え、10数年来維持していた自販機台数が少しずつ減少していたことです。同じ頃から、新たなロケーションの開発に向け、営業人員の拡充や、個々人のスキルアップをめざす取り組みを行ってきました。徐々に、開発の営業力は高まり、2020年度はコロナ下において営業活動が制限される中でも、2019年度末に比べ、自販機台数が増加に転じるなど、地道な取り組みが成果として現れ始めています。

自販機台数の推移イメージ

2020年初頭から世界中で猛威を奮っているコロナウイルスは「売れる場所」の条件を一変させました。これまで、優良ロケーションと言われていた、オフィスなどは、在宅勤務が進み、必ずしも「売れる場所」ではなくなりました。それでも私たちが続けていくことは変わりません。全国の自販機の販売動向を見極め、柔軟に開発先のターゲットを替えながら、自販機網の維持とさらなる拡大を図っていきます。

オペレーション業務における取り組み

自販機網を維持するためには、オペレーションがきちんと行われていることが何よりも大切です。当社を含め、自販機が減少傾向であることの大きな要因の一つには、このオペレーションを行う人材が不足している、ということがあげられます。新たに人材を採用するという考え方もありますが、本質的な改善にはなりません。

そこで今、私たちが取り組んでいるのが、オペレーション業務の効率化により、少ない人数でも自販機網を維持できる「スマートオペレーション」と名付けた新たな自販機のオペレーションの仕組みを確立することです。

スマートオペレーションでは、通信機器を自販機に取り付け、IoT化することで、自販機庫内の在庫状況をリアルタイムで把握できるようにし、補充に必要な商品の種類・本数の事前準備や、訪問頻度を最適化することができます。ただ、通信機器を付ければ完了、という単純なものではなく、実際に作業を行うオペレーション担当者の動きも含めて最適化する必要があります。そこで、当社では、2019年度からテスト営業所での検証と改善を重ね、2021年に全社に展開する準備を整えました。

この仕組みが確立すれば、オペレーション人員が現在より3割程度減少しても自販機網は維持できます。新たに生まれた戦力は、開発業務への配置転換や、自販機ビジネスの本質である「お客様の近くへ商品・サービスをお届けするビジネス」をさらに深化する業務へと振り向け、セグメント全体の収益力をさらに高めていきます。

第2の柱の構築に向けた投資の実行

2020年度には、医薬品関連事業を担う大同薬品工業において、2つの製造ラインが新たに稼働しました。大同薬品工業は、医薬品メーカー・化粧品メーカー・通販事業者などから栄養ドリンクや美容ドリンクの受託製造を行っています。

ドリンク剤の受託製造の市場ではトップシェアを持つ企業ですが、この投資によりさらにこの地位を強固なものにしていきます。

大同薬品工業が担う医薬品関連事業の強みはこちらをご覧ください

ここでは、新設した2工場の狙いについてご説明します。

関東工場新設の狙い

2020年7月に、群馬県館林市に本社のある奈良に次ぐ拠点として、関東工場を設けました。ドリンク剤の受託メーカーは、大同薬品工業と同じく西日本に拠点を持つ会社がほとんどで、大手の関東圏への進出は、当社グループがはじめてとも言えます。一番の消費地である首都圏に近接することで、物流費の削減により、価格競争力が増します。また、東西2拠点での分散生産が可能な体制により、お取引先メーカーのみなさんや、当社の双方にとって、BCP*対策ともなります。

*事業継続計画(Business Continuity Plan)の略語。企業が災害の発生などにより、サプライチェーンが分断された場合でも、商品供給を続けられるようあらかじめ、計画・対策をしておくことなどを指し、製造の分散化もその対策のひとつになります。東日本大震災の発生後、注目が高まりました。
奈良工場へのパウチライン新設の狙い

本社のある奈良にはドリンク剤の工場が2工場4ラインあります。2020年2月に新たな工場を設け、パウチ製造ができるラインを追加しました。

パウチゼリーの市場は、ここ数年で大きく拡大しており、食品事業を担うたらみの売上の成長ドライバーのひとつにもなっています。この背景には、小腹を満たしたい時や食欲がない時にも、エネルギーや栄養が摂取できる簡便さが消費者に受け入れられていると考えられます。また、手を汚さず食べられる手軽さも好調の理由といえます。

近年、お客様の健康意識が高まっています。これによってパウチゼリーは蒟蒻ゼリーやフルーツゼリーなどの食品に分類されるものから、特定保健用食品(トクホ)や医薬部外品にも領域を広げています。医薬品メーカーや化粧品メーカーもパウチゼリーを活用した商品開発に関心が集まる一方で、医薬品・医薬部外品の製造には免許が必要なことから、医薬部外品等のパウチゼリーの製造ができる工場は国内では非常に限られています。大同薬品工業は、これらの免許を持っていることから、お取引メーカーのみなさんの期待も高く、受注活動に注力していきます。

医薬品・医薬部外品は、厳しい国の検査などをクリアする必要があるため、受注から消費者のみなさんのお手元に届くまでは、1年半から2年程度かかります。当面は減価償却費負担が増え、利益率が低下しますが、お取引メーカーのご期待に応えるべく、受注活動を強化しています。