社長・社外取締役による鼎談

持続的成長の実現に向けた挑戦

持株会社体制への移行により、取締役会議論が充実

2017年1月の持株会社体制移行に伴う事業会社への権限委譲により、取締役会の議題の絞り込みや審議内容の充実を図ってきました。特に将来の成長に向けた投資案件や海外事業のモニタリングについては、議論が充実してきたと感じています。

持株会社化後は、取締役会の議題は全社的なものに限定され、その結果「重要案件」に関する議論の時間が確保できることになり、充実度が飛躍的に上がっていると思います。ただ、新たな投資議案については、成功した際の将来像をしっかりイメージすること、投資に対するリターンへの意識をより強く持つことが、当社の今後の課題だと感じています。

新たな事業に取り組むにあたっては、短期的な利益追求ではなく、長期的な視点でその事業を「育てていく」心構えが大切だと考えています。一方で、投資時に定めた撤退条件は常に意識し、時には撤退することも必要で、その点をしっかりとモニタリングしていくことが取締役会の役割のひとつだと考えています。

2016年2月に買収したトルコ飲料事業は、当社にとって初めての本格的な海外事業だったこともあり、従事する社員にとっては「わからないところがわからない」という状況だったかと思います。ところが、買収翌年の2017年1月には重点的に取り組むべき課題が整理され、それに対する施策とKPIが明確に示されました。これにより毎月の報告でも進捗の確認ができ、モニタリングの質も大きく改善したと考えています。

将来の成長に向けたヘルスケア領域への取り組み

将来の成長に向け「ヘルスケア領域」を投資領域に掲げていますが、この領域は先行しているグループがあり、投資金額も大きいものがあります。我々は大手と違った方向での「ヘルスケア領域」をめざさねばならないと思いますが、具体的にはどのような領域を狙い、長期的にどのような成長戦略を描いていくのか、社長のお考えをお聞かせください。

「健康」というキーワードは国内だけではなく世界的な潮流と感じています。中でも当社の事業の成り立ちからいくと、未病・予防医学の分野が身近です。3月に発表した希少疾病用医薬品事業への参入は「健康」と「医薬」に関する知見を得るための重要な布石になると考えています。既存の飲料・食品・医薬品の枠組みを越えて、健康寿命を延ばすヘルスケア関連市場を将来の大きな収益の柱へと育成していきたいと考えています。

元々、医薬品の事業からスタートした当社にとってはフィット感のある分野だと思います。長期的な視点で事業を育てることを念頭に、まず会社としてノウハウを吸収するための投資をすること、その上で長期的な医薬品事業の育成方針をしっかりと立てることが必要だと考えています。

ステークホルダーとの対話を戦略へ活かす

持株会社化後、株主・投資家との対話に関する報告内容も充実させてきました。

機関投資家のみなさんは投資効率を測るプロなので、当社にその重要性を客観的に示唆いただいており、彼らとの対話は非常に意義があると感じています。また専門家として業界を取り巻く環境や市場の分析などは、当社が長期戦略を策定する上で参考になることが大いにあると感じています。

株主・投資家のみならずステークホルダー全般に目を移せば、消費者の意見を汲み上げることが非常に重要です。各事業において、お客様の求める商品を生み出し続けるためには、消費者との対話を深めることが大切だと思います。

人財投資の重要性

昨今、株式市場からもあらためて「人財投資」の重要性が問われていますが、私は「人財」は当社の経営に非常に重要なポイントであると考えています。中でも人財育成制度の整備や、従業員が気持ちよく働ける環境づくりは喫緊の課題であると考えています。賃金や報酬はもちろん大事ですが、強い人財を育成するとともに、仕事のやりがいや働きやすさ、プライベートとのバランスなどを充実できるような環境を作っていきたいと考えています。

当社が新たに取り組む事業に従事する社員は、これまでの業務の延長線ではない資質が求められます。全体を俯瞰しやすい規模の事業に、有能な人員を配置し、戦略を作り、PDCAを回すという訓練を積ませることで、その人財は大きく成長すると思います。その際に大切なのは、その人財に事業・財務双方の知見を持たせるよう、事前に教育すること。この2つをしっかり押さえておけば、ビジョンから戦略へさらに事業計画へと落とし込むことができ、マネジメントサイクルを回すことが可能になると考えます。

ビジョンから経営戦略があり、それを具体的な経営計画に落としていく、一連のプロセスがきちんと行える人財育成ができる体制づくりが必要だと感じています。

時代の変化に対応し、人と社会と共に成長する

当社グループにとっての持続的成長を実現するための課題と、取締役会が果たすべき役割についてのお考えを聞かせてください。

連結・非連結を含めた20社以上のグループ子会社を統括するためのガバナンス体制は、非常に重要だと考えています。グループ子会社自体もそれぞれの責任で事業の執行とその監査体制を備えていく時代だと考えていますが、その体制を築くべく指導・チェックしていくのが持株会社の役割であり、またそれを機能させることが成長戦略に繋がっていくと考えています。

事業推進面から申し上げると、将来にわたる成長に向けて、事業ポートフォリオの核を複数作らなければならないと考えています。そのための資金として当社のコア事業である国内飲料事業が継続的にキャッシュを生み出し続けることが、当社グループのベースであると思います。全国28万台の自販機という「店舗」を活かし、安全・安心な商品を提供すること、またそれらの活動を行う上で、エネルギー・資源を無駄なく活用すること、ひいては「人にやさしく、社会にやさしい」事業を行っていくことが、当社にとっての課題と考えています。エネルギーの効率利用が進む中、業界全体の自販機総台数は減少するという予測のもとで、当社自身は「店舗」としての魅力を高め生き残っていくことが、社会のサスティナビリティにも貢献することだと考えています。

国内飲料事業においては、全国28万台の自販機が社会インフラとしての可能性を大いに秘めています。飲料を売るだけではなく、新たなビジネスに結びつく、自販機ビジネスの改革や価値創造を他社に先駆けてどんどんやっていくことを期待しています。

企業が永続的に事業を継続していくためには、一つのことを極めることも重要ですが、時代の変化にあわせて、自らも変化していくこともまた重要です。
これまで当社グループは国内飲料事業が収益の柱として支えてきました。今、当社が取り組みを強化しているヘルスケア領域は、社会的課題であり、さらには人間の根源的な課題でもあると考えています。この領域への課題の解決に向けてしっかり取り組んでいくことで、社会へ貢献していきたいと思います。
地球温暖化や資源枯渇の問題、テクノロジーの進化など、今まさに時代は大きく変化しています。この変化は、当社グループにとって向かい風になることもありますが、チャンスに変えていくことも可能だと考えています。この環境の変化にしなやかに対応し、次のステージへ向けてDyDoグループを大きく成長させていきます。

略歴

代表取締役社長髙松 富也

  • 2004年4月
    当社入社
  • 2008年4月
    当社取締役就任
  • 2009年4月
    当社常務取締役就任
  • 2010年3月
    当社専務取締役就任
  • 2012年4月
    当社取締役副社長就任
  • 2014年4月
    当社代表取締役社長就任(現任)

社外独立取締役森 真二

  • 1972年4月
    最高裁判所司法研修所入所
  • 1974年4月
    横浜地方裁判所裁判官任官
  • 1986年4月
    京都地方裁判所判事任官
  • 1989年4月
    大阪弁護士会登録
  • 2001年4月
    当社監査役就任
  • 2014年4月
    当社取締役就任(現任)

社外独立取締役井上 正隆

  • 1978年4月
    株式会社中埜酢店入社
  • 2005年7月
    株式会社ミツカングループ本社取締役就任
  • 2007年5月
    同社常務取締役就任
  • 2009年10月
    同社常勤監査役就任
  • 2011年3月
    同社経営監査室担当部長
  • 2014年3月
    株式会社Mizkan Holdings 経営企画本部担当部長
  • 2016年3月
    同社退社
  • 2016年4月
    当社取締役就任(現任)