社長・社外取締役による鼎談

持続的成長の実現に向けた挑戦

自販機ビジネスの優位性の確立に向けて

2019年1月に新たにグループミッションを策定し、3年間の中期経営計画をスタートさせました。コアビジネスである自販機事業の足元の業績や市場環境は厳しい中で、いかに勝ち残るかが最大のテーマです。我々が強みとしてきた自販機のオペレーション品質を、IoTの活用やオペレーションの見直しにより、生産性の向上を図り、他社を圧倒する仕組みをいかに確立していくかが大事だと考えています。

中期経営計画策定のアプローチは、前回と比べて大きく飛躍したと思います。前回の計画は、現状から“more & better”の発想で成長をめざすものでした。これに対し今回の計画は、社長が言われる「他社を圧倒する仕組みの構築をめざす」という“vision driven”の考え方になっています。ただ、現時点では「どういう姿になれば圧倒的な優位性を持つ」と言えるのか、その姿、即ち「達成レベル」のイメージが描き切れていません。達成レベルの具体化が、具体的な施策に繋がります。まずは「具体的な達成レベル」を示し、そこに到達する道のりを「意志を持った目論見」を持って計画にすることが大切です。こうして作られた計画は、Vision(具体的達成レベル)から中計、そして単年度計画へと連鎖し、さらには従業員一人ひとりがやるべきことも、その連鎖の中で明確になります。また、計画に「意志を持った目論見」があるからこそ、それに対する総括が可能となりPDCAサイクルを回すことができるようになります。今年度中に、より具体化された完成度グループミッション2030の実現に向けた課題の高い計画へとブラッシュアップされることを望みます。

今回のグループミッションでは、2030年の姿を描いたわけですが、その頃には都市部と地方、特に過疎地においては自販機に求められる役割が違ってくるかと考えています。都市部は現在の戦略をブラッシュアップしていくことが肝要ですが、地方においては、インフラの役割を果たすことも必要です。特に過疎地においては、例えば日用品・医薬品など生活必需品を販売するなど、そこに自販機が存在する意義を突き詰めて、社会的な役割も果たしてもらいたいし、そうすれば事業としての新たな可能性も増えてくると思います。

地方に強いのはDyDoの強みでもあり、自販機という拠点を生かして地方の社会インフラの維持に貢献することは、2030年に実現していきたい方向性にも合致します。それを実現するためにも、この3年でめざすべきオペレーション体制を構築し、どうしても効率性が落ちてしまう地方でもその役割を担えるよう、進化させていくことが必要だと考えています。将来の姿も見据え、今やるべきことにしっかり取り組んでいきます。

非飲料事業での第2の柱の構築をめざす

前の中期経営計画では非飲料事業での事業展開については、十分な成果は出せませんでした。社内で議論・検討した結果、実行には至らなかった案件も多くあり、事業を検討する際のノウハウが醸成できたという点については、成長基盤のひとつになりうると考えています。

グループの成長に向けて、新たな事業への取り組みが必要だとの共通認識のもと、熱心に検討された多数の案件が上程されました。ただ、新規投資やM&Aにおいて大切なのは、その案件が当社グループのビジョンや中期計画達成に向けて、どういう意味を持つのかという「戦略的意義」と、「株主価値を高めるリターン」が得られるか、だと考えています。M&Aは検討し始めると、時にやること自体が目的化してしまいがちです。そういった際には、「戦略的意義」と「リターン」という原点に立ち戻ってもらいたいと思います。また、もしその視点が欠けてしまった時には、それを指摘するのが、私たちの役割でもあります。

企業が大きくなる中でM&Aは欠かせません。生い立ちも社風も違う統合先を監督していくためには、当社に指導・監督・協働できる体制があること、そういった人材がいることが重要です。実行段階での検討のレベルを上げることももちろん、PMIの戦略の遂行、そのための人材もしっかり育成していただきたいです。

ESGの観点を体系的に経営に取り込む

これからの10年間は、経営の視座として、ESGの観点の重要性がますます高まっていきます。継続的に会社を成長させるために取り組まれていることについて教えてください。

ステークホルダーとの共存共栄は私たちの経営理念であり、事業の側面ごとにはESGの観点で活動をしています。ただ、グループ全体での体系的な管理には至っていないのが現状です。まずは現状把握をし、できていること/不足することを確認し、課題を整理し、2020年度からPDCAを回すための準備をしています。新たなビジョンに合わせた基本方針の策定、実行課題の特定、戦略の立案、KPIの設定と徐々にレベルを上げていきたいと思います。

人材の育成に向けて

今回の計画では、人材育成についても課題として掲げられています。グループ各社も含めてどのように教育をしているか、あるいはしていくかについて、社長の考えをお聞かせください。

新入社員や若年層については、研修やOJTを通じ底上げが図れてきていると思います。また、グループ間の交流はまだ進んでいませんが、これからは持株会社のもと、そういった点についても取り組んでいきたいと考えています。

若年層の人材を育てる効率的な方法として、小規模な事業を任せてみる、というのがあります。小規模であれば事業全体の構造が見えやすくなります。そういった環境の中で、ビジョンを持ち、計画を作り、PDCAを回すことで経営マインドも醸成できると考えています。もちろん、事前にマーケティングや会計知識の習得といった基礎的なトレーニングをした上で事業を任せ、PDCAの回し方を指導していく必要があります。

30~40代の管理職や次世代の経営幹部になる層は、全体的にもっとレベルを上げていかなければならないと考えています。自分の専門分野におけるスキルを伸ばすことに加えて、部下の育成やチームとして成果を出せるようマネジメント力をもっと伸ばしていく必要があります。

ある会社では、一定の選抜のもと、マネジメントや会計を学ぶ機会を設けているところもあります。これは組織のPDCAを回していけるようにする訓練でもあり、1年ほど集中して勉強させるという機会があってもよいかもしれません。

まずマネジメントとは何かをよく理解してもらうことが大切です。マネジメントとは「Visionを掲げ」それを実現するために「PDCAを回す」ことであり、それを実践しながら知識・経験を溜めていくと強い人材になります。繰り返しですが、目論見がないところに総括はありません。総括できない計画ではPDCAは回りません。予測と目論見を混同せず、しっかり「意志を持った目論見」で計画策定の訓練をする。ここが肝ではないかと思います。

ひとつの事業部門を任されるとマネジメントは意識しなくてもある程度できるようになります。ただそのような環境がなくても、従業員一人ひとりが常にPDCAを意識し、行動できるようになってくると組織が強くなっていくかと思います。

新たな行動規範のもと、グループ一丸となり成長をめざす

新たにグループ行動規範も策定されました。中堅世代からの発案のもと、若い世代がディスカッションをして作ったと聞いており、この策定プロセスを高く評価しています。DyDoグループが未来へ向かっていく中で、自分たちがこうしなければならないということを考えて練り上げた内容でしょうし、なによりこういった内容がボトムアップでできたことは非常に意味があることだと思います。

次の課題は浸透活動です。常日頃から意識することも大切ですし、何かあった時、判断に迷った時の拠り所になる考え方だと思います。国内や海外、また事業分野を問わず、ベースとなる考え方として浸透するよう努めていきます。
グループすべての従業員一人ひとりが、グループ理念・グループビジョンを実現するため、グループ行動規範に基づく行動を実践し、持続的な成長と企業価値の向上をめざしていきます。

2019年2月15日

略歴

代表取締役社長髙松 富也

  • 2004年4月
    当社入社
  • 2008年4月
    当社取締役就任
  • 2009年4月
    当社常務取締役就任
  • 2010年3月
    当社専務取締役就任
  • 2012年4月
    当社取締役副社長就任
  • 2014年4月
    当社代表取締役社長就任(現任)

社外独立取締役森 真二

  • 1972年4月
    最高裁判所司法研修所入所
  • 1974年4月
    横浜地方裁判所裁判官任官
  • 1986年4月
    京都地方裁判所判事任官
  • 1989年4月
    大阪弁護士会登録
  • 2001年4月
    当社監査役就任
  • 2014年4月
    当社取締役就任(現任)

社外独立取締役井上 正隆

  • 1978年4月
    株式会社中埜酢店入社
  • 2005年7月
    株式会社ミツカングループ本社取締役就任
  • 2007年5月
    同社常務取締役就任
  • 2009年10月
    同社常勤監査役就任
  • 2011年3月
    同社経営監査室担当部長
  • 2014年3月
    株式会社Mizkan Holdings 経営企画本部担当部長
  • 2016年3月
    同社退社
  • 2016年4月
    当社取締役就任(現任)