ダイドーグループホールディングス株式会社

社外取締役インタビュー

社外取締役 井上 正隆

グループ理念を念頭に、
持続的な成長をめざして
独立的な立場から議論を重ねていきます。

社外取締役

井上 正隆

略歴

  • 1978年4月
    株式会社中埜酢店入社
  • 2005年7月
    株式会社ミツカングループ 本社 取締役就任
  • 2007年5月
    同社 常務取締役就任
  • 2009年10月
    同社 常勤監査役就任
  • 2011年3月
    同社 経営監査室 担当部長
  • 2014年3月
    株式会社 Mizkan Holdings 経営企画本部 担当部長
  • 2016年3月
    同社 退社
  • 2016年4月
    当社取締役就任(現任)
社外取締役としての役割をお聞かせください。
株主・投資家の視点から、DyDoグループを成長軌道にのせるために発言を重ねています。

 2016年4月にダイドードリンコ株式会社(現・ダイドーグループホールディングス株式会社)の社外取締役に就任して1年が経ちました。私が思うガバナンスの理想は「理念統治」です。理念・ビジョンを徹底することで、グループ全体の考え方や行動が、正しい方向に向かうことを期待できるからです。DyDoグループの企業理念には、人や社会への使命が明確に記されています。
 企業の持続的成長の実現に向けて、社外取締役に課せられた機能は2種類あると考えています。一つはリスクの低減を図ること。これは、弁護士である森社外取締役が主にその役割を担っています。そしてもう一つは、株主利益の拡大を図ること。これが、これまで事業会社で経営に携わってきた私の役目だと考え、株主・投資家の視点をもって業務にあたっています。
 私は、「正しいことを正しく行う」ことがビジネスの基本である、と考えています。戦略・投資の方向性は、理念・ビジョンに照らして意義があるか、中期計画は、戦略の実現に向けて、時間軸とともにそのステップが設定されているかなど、「正しいこと」が「正しく」意思決定されているかを確認しています。
 また、当社の取締役会には、活発に発言できる雰囲気を感じています。専門性を持つ社外取締役それぞれの視点から生まれる疑問や指摘にも、執行側は丁寧かつ真摯に答えており、大変開かれた透明性の高いものであると考えています。
 現在DyDoグループは、海外市場への展開に注力しています。私のこれまでの海外企業経営・監査の経験が生きると考えます。

海外展開において、どのような提言をされていますか。
「一貫したシナリオ」を共有し、PDCAを廻しつづけることが重要と話しています。

 DyDoグループの海外展開は2008年の中国進出を皮切りに、現在はロシア、マレーシア、トルコに拠点を持っています。国内で培ったDyDoスタンダードを現地仕様に対応させるには、様々な障害が立ちはだかります。私は成功の道筋には、事の優先順位を明確にし、PDCAを稼働させるための一貫したシナリオが必須であると伝えています。強い意志を持った「ありたい姿」から「中期計画」「年度計画」への一貫性。そして年度計画には「目論見」を持つ「達成シナリオ」が必要で、それにより期中・期末に進捗の評価・総括が可能になり、PDCAが廻ることになります。
 また、この「一貫したシナリオ」を共有することで、現地の経営陣と従業員の間で意思統一が図りやすくなります。当社の取締役会としてもシナリオが妥当であるか、どの段階まで達成したかといった判断基準が明確となり、建設的に意見することができます。
 DyDoグループにとってグローバルな投資案件はまだ手探りで、成果を得るには長期的な構えが必要ですが、成長の芽を着実に育て、さらなる発展に繋がるよう取り組んでいきます。

社外取締役としての今後の抱負をお聞かせください。
独立した客観的な立場からダイナミックなチャレンジを後押ししていきます。

 この度の持株会社体制への移行は、DyDoグループの転換期となるでしょう。移行を機に各事業の責任と権限を明確にし、事業会社への権限委譲を行いますが、持株会社が各事業会社の経営に対してどのような支援・牽制をしているかを、社外取締役として独立した立場から客観的に見つめ、各事業を成長へと導かなければならないと考えています。
 今後も、DyDoグループの事業展開を長期的な視点で見据え、ダイナミックなチャレンジを後押しすべく、注力していく所存です。